ブドウをつぶして放っておけば勝手にワインになります
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

今日はもっとも基本的なテーマ
「ワインとは何か」
について書いてみます。

ワインは液体です。
その液体の正体は、発酵した果汁です。
要は、果実を発酵させてできた酒(= 果実酒)がワインです。

ワインは広い意味ではあらゆる果実酒を含みます。
リンゴのワインや洋ナシのワインもあります。

とはいえ、世界のワインの99.9%はブドウから造られます。
それは、ブドウがいちばん良いワインができるからです。

だから、ぼくたちが「ワイン」というときは、通常はブドウの果実酒を指します。

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 ▲山梨・勝沼のワイン用ブドウ「甲州」

ブドウをワインにする工程を簡単に言えば、次のようになります。

.屮疋Δ量擇ら熟したブドウを摘みとる
△修離屮疋Δ鰺憧錣涼罎貌れる
そのブドウをつぶして果汁を得る(昔は足で踏んでつぶした)
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ワインは、こんなに簡単にできちゃう酒です。
極端な話、
ブドウをつぶして放っておけば勝手にワインになります。

日本酒やビールもワインと同じ醸造酒ですが、
日本酒の原料であるコメやビールの原料である大麦は
それ自体に十分な水分を含まないので仕込み水が必要です。
糖分もそのままでは発酵に使えません(糖化という工程が必要)。

ブドウには発酵に必要な果汁と糖分が十分に含まれるので、
仕込み水も糖化の工程も必要ありません。

古来、水に苦労していたヨーロッパでは、果実に水をためてくれるブドウは貴重な果物として重宝されたそうです。

・ ブドウ以外の原料を必要としない
・ 製法が原理的にシンプル

このシンプルさが、ワインが人類のあけぼのとともに生まれ世界中に広がった理由です。

さて、それではなぜ、ブドウをつぶして放っておけば勝手にワインになるのでしょうか。
それは発酵が起こるからです。
発酵は人が手を加えなくても勝手に起こります。

このときに働くのが酵母です。
酵母はブドウ畑やブドウ果実に自然に存在する、目に見えない単細胞の微生物です。

酵母がブドウ果汁に含まれる糖分に接触し、その糖分を食べて、
徐々にアルコール分に変えていくのです。
これをアルコール発酵といいます。

ちなみにアルコール発酵のとき、酵母は二酸化炭素も同時に空気中に吐き出します。
これを逃さずに瓶詰めしておけばシャンパンのような発泡性ワインになります。

酵母がブドウ果汁中の糖分をすべて食べ終えたとき、
そのブドウ果汁はワインとなります。

果汁中に糖分はもう残っておらず、その代わりにアルコールとなっています。

ここからおわかりのとおり、
ブドウがよく熟して甘いほど、アルコール度数の高いワインができます。

ワインって本当に面白いですね!

(2017年3月25日)