甘すぎず、渋すぎず、バランスがとれているのがいいヤツだ 〜 ワインのバランスの良さは「良いワイン」であることを示す重要なポイントです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回述べたように、「良いワイン」とは、何よりも自分自身が飲んで美味しいと感じるワインのことです。
ワインの存在意義は、つまるところ飲む人に喜びを与えることなのですから。

そのうえでの話となりますが、
一般にワインがどの程度良いかというのは、経験を積んだワインの専門家たちの間である程度一致するような「良いワインの基準」を、どの程度満たしているかによると思います。

こうした「基準」はおおむね、ワインの持つバランス持続性深み複雑さ余韻産地らしさ(ワインコトバでは「ティピシティ」 typicity)などの要素から成り立っています。

これらの要素を完全に客観的に測定することは困難ですが、ワインの経験値を積んだ人たちがテイスティングすれば、ある程度は一致した印象を持つものです。

今回はワインの「バランス」について見てみましょう。

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 ▲数年前に飲んだプス・ドールの「ヴォルネイ1級畑カイユレ」2003年は秀逸なバランスの良さだった


甘味酸味タンニンの3つがワインの3大構成要素ですが、
4つ目の要素としてアルコール分が挙げられます。

ぼくたちがお店でグラスワインを飲みたいと思うのは、当然アルコールを期待しているからなのですが、
このアルコール分もワインの品質を語る上で重要な要素のひとつとなります。

ワインのバランスとは、
甘味、酸味、タンニン、アルコール分という4つの構成要素同士の釣り合い、調和の有無をいいます。


粗すぎるタンニン、強すぎる甘み、きつすぎる酸味などが感じられないとき・・・
つまりワインのどの要素も自分勝手に突出していないとき、そのワインは「バランスが取れている」といいます。

タンニンと酸味はワインを硬く角張った印象にさせる要素となります。
アルコールと甘味はワインを柔らかく丸い印象にさせる要素となります。

ワインのバランスとは、いわば硬さの面と柔らかさの面の相互関係であり、
バランスの良さは「良いワイン」であることを示す重要な指標だといえます。

販売されているワイン
の多くは、ほとんどの人にとって、ある程度はバランスがとれているものです。

しかし食べ物の味について特別な好き嫌いがある人、たとえば酸っぱいものはどれもダメだとか、甘いものは決して食べないなどのような人にとっては、ある種のワインはつねにバランスが悪いと感じてしまうかもしれません。

とはいえ誰もがバランスが悪いと感じるようなワインは売れなくて店頭から消えていくはずですから、普通に販売されているワインの多くは、まあまあある程度はバランスのあるものだといえるでしょう。

そうしたワインの中でも、
とくに良くバランスがとれているワインが、いわゆる「良いワイン」だといえるわけです。

ワインの味わいのバランスがどのように働くのかが手軽にわかる方法があるので紹介しておきましょう。

,發里垢瓦濃い紅茶を入れて、冷蔵庫で冷やします。

△修譴鮓にすると、タンニン分が強くて渋味を感じるはずです
(バランスの悪い状態)

そこにレモン汁を加えて口に含むと、口内の粘膜がキュッと締め付けられるはずです。レモンの酸味と紅茶のタンニンがお互いを際立たせてしまうからです
(バランスの悪い状態)

ぜ,忘重をたくさん入れて口に含むと、それまでよりも口当たりが柔らかくなります。その糖分が「酸味+タンニン」の強さを相殺するからです(バランスの改善)。

ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

(2017年4月30日)