ワイン用のブドウはヴィティス・ヴィニフェラ!その中に1万種類以上のブドウ品種があるから一生かけても飲みきれません 〜 ワインってまさにライフワークですね
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

これからしばらくブドウ品種のお話を書いていこうと思っています。

「ブドウ品種」という言葉は、ある特定の種類のブドウの木になる果実のことを指しています。

たとえばカベルネ・ソービニヨンというブドウ品種は、カベルネ・ソービニヨンという種類のブドウの木になる果実です。
シャルドネというブドウ品種は、シャルドネという種類のブドウの木になる果実です。

なんでこんなまどろっこしいことを言うのかというと、
「品種」という言葉は、科学的には少々厳密に使う必要があるからです。

genus_grapes

ブドウの木も生物のひとつですが、生物学では動植物の分類方法にルールがあり、

目(もく) → 科(か) → 属(ぞく) → 種(しゅ)

というように、より大きな分類からより細かな分類へと分け方に階層があります。

生物の授業ではないので(ぼくも専門家ではありませんから)、ワインに関係する部分だけを取りあげますが、

ブドウに関していえば、
  • 属(ぞく; genus)はブドウ属で、ラテン語で「ヴィティスVitis といいます。
  • 属をより細分化したもの、つまり属の中の分類単位を種(しゅ; species)といい、ワインに使われるブドウのほとんどは「ヴィニフェラVinifera 種です。
  • 種(しゅ)の中に含まれる個々の多様な種類のことを変種(variety)といい、これが、カベルネ・ソービニヨン、シャルドネなど、ぼくらが一般に「ブドウ品種」と呼んでいるものです。

だから、ワイン造りに使われるブドウのほとんどは

ヴィティス・ヴィニフェラ

と呼ばれる種(しゅ)のブドウです。

そして、ヴィティス・ヴィニフェラ種の中に、カベルネ・ソービニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、・・・といった諸々のブドウ品種があるのです。

ヴィティス・ヴィニフェラはワインを学んでいるとよく出てくる用語なので、ぜひ覚えましょう。

ヴィティス・ヴィニフェラの原産地はヨーロッパから西アジアにかけての地域です。

北アメリカを原産地とするブドウとしては「ヴィティス・ラブルスカ」という種のものがあります。
たとえばコンコードというアメリカ原産のブドウがあり、ジュースやゼリーなどに使われています。

ヴィティス・ラブルスカでもワインは造れますが少数派です。ワインを造ると独特の風味が出てくるため、あまり一般には好まれないからです。


ヴィティス・ヴィニフェラの中には1万種類以上のブドウ品種が存在します。

もしこれらのブドウのワインがすべて入手可能だとして、毎日1種類ずつ飲み続けたとしても、全種類を経験するには27年以上かかる計算です!

1万種類の中には、とてつもなく素晴らしいワインのできるブドウ品種もあれば、いわゆる並のワインしかできないブドウ品種もあります。

しかし、ほとんどのブドウ品種は外国に輸出されることなく、産地やその周辺の地域だけで消費されています。

もしローカルなワインに対する探究心をどうしても満たしたくて、時間もお金も存分に有り余っているのであれば、
スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャなどの国々に行って、田舎の村々をくまなく旅してみれば、おそらく1500品種くらいには出合えるのではないでしょうか。。

ぼく自身も含めて、ふつうにワインを楽しむ生活を送っている人が一生に出合うブドウ品種はせいぜい50品種、どんなに頑張っても100品種もいかないように思います。

そんな意味でも、ワインってまさに一生かけて楽しめるライフワークですね!

(2017年5月4日)