ピノ・ノワールはちょっぴり気難しいけど華やかでエレガントでキュンとくるワイン 〜 ブルゴーニュって「ステキだけどカネのかかる彼女」みたいですね(笑)
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

カベルネ・ソーヴィニヨンメルローに続いて国際的な黒ブドウ品種の3番目は、ぼくの大好きなブドウ品種、ピノ・ノワールです!


◆ピノ・ノワール◆

カベルネ・ソーヴィニヨンで名を馳せたカリフォルニアのある有名なワイン生産者がこう言ったそうです。

「もしも一からやり直すことができるなら、カベルネ・ソーヴィニヨンなんかよりピノ・ノワールをつくりたい」

こういう思いを持つ生産者は彼一人ではないと思います。

カベルネ・ソーヴィニヨンはとても実用的なブドウです。
生育が安定していて信頼できて、生産者に困ったトラブルを与えず、力強くて素晴らしい品質のワインを造ることができます。

それに比べると、ピノ・ノワールは気難しくて、扱いに細心の注意が必要で、ときに不可解で、生産者にとっては骨の折れるブドウです。

でも優れたピノ・ノワールは、他のどんなブドウもまったくかなわないほど最高のワインになります
1本何百万円もする、あの有名なロマネ・コンティもピノ・ノワールのワインです。

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 ▲ブルゴーニュ地方コート・シャロネーズ地区の「リュリ1級」


ピノ・ノワールの典型は、フランス・ブルゴーニュ地方の赤ワインです。
細かく区分されたいくつものブドウ畑で、「ワインの宝」とでもいうべき赤ワインが、ピノ・ノワール100%で造られています。

ニュージーランド、オーストラリア、チリ、アメリカのオレゴン州やカリフォルニア州などでも良いピノ・ノワールはできます。
しかしピノ・ノワールは気候や土壌をかなり選び、育てるのが難しい品種なので、他の国際品種に比べると生産量が比較的限られています。

ピノ・ノワールのワインは他のブドウ品種のものに比べて色調が淡いのが特です。
たいてい淡いルビー色
ぼくは、とても美しい色だと思います。

タンニン分は穏やかで、赤ワインとしては比較的酸味が豊富です。
渋味が弱く口当たりが柔らかいことと、チェリーをかじったときのような心地よい酸味が食事に合わせやすいポイントとなり、とくに日本の食卓に出るおかずにはよく合うと思います。

高級ワインは樽熟成して木樽の要素をつけますが、それでもタンニンや口当たりの険しさは抑制的です。
アルコール感も、他のブドウ品種のものに比べて落ち着いています。

香りや風味はたいへん果実味があります。
チェリーベリー系(クランベリー、ラズベリー、ストロベリーなど)の香りや風味があり、
カジュアルなワインはフレッシュでチャーミングな香りに、
高級なものは華やかでエレガントな香りになります。

熟成型の超高級なものは、木樽から来るスモーキーさやタンニンなど ボディの厚みも感じられます。

アメリカやオーストラリア、ニュージーランド、チリのものは、ブルゴーニュ地方のものに比べると色がやや濃く紫がかり、イチゴジャムやブルーベリージャムのような味わいのニュアンスが出る傾向があります。

ピノ・ノワールを他のブドウと混ぜることは、まずありません。
ほぼ唯一の例外はシャンパーニュでしょう(ピノ・ノワールとシャルドネ等をブレンドする)。

ピノ・ノワールのワインは全般に「女性的」だといわれます。
スタイルがエレガントで味が濃くないので、ワイン初心者のうちは「わかりにくい」ところがあります。

しかし、良いピノ・ノワールのワインが持つ
華やかで艶やかな香りや、キュンとくるようなほのかな甘酸っぱさ、かすかなダシ感を伴う旨みが好きになると、たいていピノ・ノワールにハマります。

ブルゴーニュ地方の美味しいピノ・ノワールは安くないので、ブルゴーニュに凝り始めるとサイフがつらくなります。。
「ステキなんだけどカネがかかる彼女」みたいな感じでしょうか(笑)

ピノ・ノワールが大好きなぼくも、そんな "彼女" と上手に付き合っていきたいと思います。

(2017年5月15日)