アリアニコ、バルベーラ、カベルネ・フラン、カルメネーレ、ガメイ、グルナッシュ・・・赤ワインのブドウもいろいろ!〜 ワインを楽しんでいれば、きっとどこかで出合うはず
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

この1週間強にわたって、赤ワインの主要なブドウ品種について書いてきました。

● 国際的ブドウ品種(4つ)
 ・ カベルネ・ソーヴィニヨン
 ・ メルロー
 ・ ピノ・ノワール
 ・ シラー(シラーズ)

ローカルヒーロー(5つ)
 ・ ネッビオーロ
 ・ サンジョベーゼ&テンプラニーリョ
 ・ ジンファンデル&マルベック

今回はその締めくくりとして、上記以外の黒ブドウをまとめて紹介します。
これらはワインライフを送っていれば、きっと出合うことのあるブドウ品種です。


◆アリアニコ◆

アリアニコは南イタリアを原産とする、タンニン豊富でフルボディで長期熟成も可能な力強いブドウ品種です。
ナポリを州都とするイタリア・カンパーニャ州タウラージ Taurasi というワインが代表的です。

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 ▲タウラージはとても力強い、南イタリア随一の高級ワイン


◆バルベーラ◆

バルベーラはイタリア北西部ピエモンテ州を主要産地とするブドウです。
酸味が豊富で、外観はしっかりとした紫色ですが、イタリアの黒ブドウとしては珍しくタンニンが少ない品種です。
よく熟したブドウから造られたワインは、とても果実味が豊富で爽やかな味わいです。


◆カベルネ・フラン◆

カベルネ・フランは、遺伝子的にカベルネ・ソーヴィニヨンの「親」にあたる品種です。
ボルドーワインでは多くの場合、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローとブレンドされる補助品種となりますが、
フランスのロワール地方では赤ワインの主要品種で、シノン Chinon やブルグイユ Bourgeuil というワインが有名です。
 
早熟型で、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローよりもベリー系の果実味がわかりやすく現れ、タンニンは強くありません。
すこしピーマンや緑黄色野菜っぽい香りがするのも特徴です。
ぼくは八百屋さんや青果市場の匂いに近いと思っています。


◆カルメネーレ◆

カルメネーレはボルドー地方が原産地ですが、現在ではほぼ南米チリのみで主要品種となっています。
色が濃く、ブラック・ベリーやスパイスの香り、タンニンは中程度で果実味の強いワインになります。
ぼくは、ゴムを焼いたような、道路舗装の工事現場のようなにおいを感じるときがあります。


◆ガメイ◆

ガメイはフランス・ブルゴーニュ地方最南部、ボージョレ地区の主要品種です。
ボージョレー・ヌーボー」というワインは、おそらく誰でも知っているでしょう。
ヌーボーは「新酒」の意味ですが、ボージョレー地区では新酒でなくてもほぼすべての赤ワインに使われる品種です。

イチゴドロップのような香りやバナナのような香りを伴う、タンニン分も少ない非常にジューシーなワインが多く、冷やしても飲めるような赤ワインです。

しかしガメイ自体はタンニン豊富なワインとなる能力のあるブドウで、
ボージョレー地区の中でも限られた10村では比較的ボディのしっかりしたワインが造られており、
それらは「クリュ・デュ・ボージョレー」と呼ばれています。


◆グルナッシュ◆

原産地はスペインで当地ではガルナッチャと呼ばれますが、多くのワイン好きはグルナッシュを、フランスのローヌ地方南部のブドウとして認識しています。

ローヌ地方ではシラーと混醸されることが多いですが、スパイシーな風味を伴うこと以外は、酸味もタンニンもあり骨格の引き締まっているシラーとは、真逆の特徴を持っています。

すなわち、グルナッシュは酸味が穏やかでタンニンもまろやかです。
スペイン原産なので暑さに強く、アルコール感が豊富で豊満なゆるい感じの味わいを持っています。
ローヌ地方南部のシャトーヌフ・デュ・パプ
Chateauneuf-du-Pape が長熟型の高級ワインとして有名です。

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 ▲シャトーヌフ・デュ・パプはよく熟成させたほうが真価を発揮する


これで全部で15種類の赤ワイン用ブドウを紹介しました。
これでも世界中に1000以上あるブドウ品種のなかでは極々一部ということになります。

ぼくらが普通にワインライフを楽しむうえでは、まずはこれら15種類を知っていれば、9割方カバーしているといって差し支えないでしょう。

さぁ、次はどのブドウ品種の赤ワインを飲んでみましょう?

(2017年5月21日)