ヨーロッパではワインのラベルにあまり品種名を書きません 〜 ワイン造りの歴史が長いヨーロッパでは「場所」の名前を言えば「ブドウ品種」も決まっているからです
スマートフォン用サイト
バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回述べたように、ヨーロッパ以外のワインはブドウ品種名表示ワイン(ヴァラエタル・ワイン)が中心で、たいていラベルにブドウ品種名が書かれています。

いっぽうヨーロッパのワインはラベルに産地名だけが書かれているものがほとんどです。

産地ごとに定められたブドウ品種でワインが造られているのですが、その品種名はラベルに書かれていません。
その代わりに「ブルゴーニュ」とか「サンセール」などのように、ブドウが育てられた場所の名前が書かれているのです。

それがワイン、とくにヨーロッパのワインというものを、わかりにくくとっつきにくいものにしている面があることは否めません。。

しかし、じつはヨーロッパのワインの名づけ方こそ、個々のワインについてより多くの情報を提供するためのシステムなのです。
単にブドウ品種名を示すような名づけ方よりも、ボトルの中に入っているワインについて、もっともっと多くのことを物語っている名づけ方です。

ただし、ラベルからそうした様々な情報を読み取るには、ヨーロッパのいろいろなワインの産地について少し勉強する必要があるのです。

dugat _bourgogne
 ▲「ブルゴーニュ」 Bourgogne とだけ書かれ「ピノ・ノワール」とは書かれていない


さて、それではなぜワインに場所の名前をつけるのでしょうか?

ワインの原料であるブドウは、どこかの土地で育たなければなりません。
そうした土地が有する土壌の性質、日照量、降水量、その他諸々の特徴によって、ブドウは異なった性質のものになります。

ブドウの性質が異なれば当然ワインも異なる性質のものになります。
したがって、ひとつひとつのワインは、それぞれのブドウが育った場所柄を反映しているものなのです。

ヨーロッパでは、ブドウ農家とワイン生産者が何世紀にもわたって、どのブドウがどこで育つと一番かという知見を蓄積してきました。
そうした長い長い歴史の中で、彼らは多くの「ブドウ&場所」の最善の組み合わせを特定し、その知見を法律や規則に落とし込んできました。

そのためヨーロッパでは、ブドウが育てられた「場所」の名前を言えば、自動的にそのワインの「ブドウ品種」を言っていることになるのです。

だから、ワインボトルのラベルにわざわざブドウ品種を示す必要がないというわけです。

これって、ヨーロッパ以外のワイン飲みにとっては少々とっつきにくいシステムですよね。。

でも場所の名前(つまりワインの名前)とブドウ品種の組み合わせはシッカリ決まっているので、
基本的な「産地名&ブドウ品種」の組み合わせだけでも、ぜひ覚えていただきたいです。

いったん覚えてしまえば、ワインが本当に楽しくなってきますよ!

(2017年5月24日)