ヴィンテージはブドウの収穫年 〜 表示は義務ではないですが、同じ造り手・同じ銘柄のワインでもヴィンテージが違うと味わいも違ってくるので少し気になります
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

この10日間ほど、ラベル表示について述べてきました。
重要なことはほぼ書いたつもりですが、ラベルについての話題にもう少しお付き合いください。

原産地名、瓶詰元、容量やアルコール度数などの「記載すべき」ラベル表示事項のほかにも、いろいろな文言がラベルに書かれていますね。

そうした文言は、何か特別な品質のワインだと消費者に思わせるためだけに書かれた意味のないフレーズである場合もありますし、逆にそのワインについて有益な情報を提供している場合もあります。

また同じ文言であっても、たとえば Reserve (Riserva, Reserva)のように、国によって、単に宣伝文句にすぎない場合とちゃんとした意味のある場合があります。

こうした二義性が生じてしまうのは、ある生産国では法で厳格に規制されている用語が、別の国ではまったく規制されていなかったりするからです。

今回は、ワインラベルのヴィンテージ表示についてのお話です。


◆ヴィンテージ

義務的記載事項以外の表記としては、ヴィンテージが最もよく目にするものかもしれません。

西暦と一緒に「Vintage 2015」と表示されていたり、単に西暦だけが書かれていたりします。

ボトルのラベル本体に表示されていることもあれば、ヴィンテージだけが書かれた小さなラベルが、メインのラベルの上のほうに貼られている場合もあります。

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 ▲「2006」とヴィンテージだけを示す小さなラベルが、メインラベルの上方に貼られている


ヴィンテージとは、そのワインの原料となったブドウの収穫年です。

たいていのワインにはヴィンテージが書かれていますが、書かれていないものもあります。
ヴィンテージの書かれていないワインは、原料ブドウの収穫年が単一年ではなく、複数年のブドウがブレンドされています。

意外ですが、フランスのAOCワインでもヴィンテージの記載は義務ではありません。

ですから極論すれば、フランスのAOCワインは別々の収穫年のブドウを混ぜても良いということです。
もっとも、ほとんどのAOCワインにはヴィンテージ記載がありますけどね。

ヴィンテージの記載のないワインの代表例はシャンパーニュです。

シャンパーニュはたいていNVすなわちノン・ヴィンテージです。
複数の収穫年のブドウをブレンドして、年によって味わいや生産量が大きくブレることなく、安定的に造れるようにしているのです。
もちろん、ブドウの作柄がとてもよい年にはヴィンテージ付きのシャンパーニュが造られます(通常のNVのシャンパーニュよりも高価)。

そのワインのヴィンテージが何年か、言い換えれば、そのブドウが天候に恵まれた年のものか、天候のあまりよくない年のものかを問題としているのです。

ところで、実際のワインライフでヴィンテージが問題となるのは、

(1) 高品質(高価格)のワインを買おうとするときか、
(2)
ヨーロッパの生産国のように年によってかなりの天候変化が見られる地域のワインを飲むとき 
でしょう。

ぼく自身もワインショップ&バーで仕事をしたときに初めて体感したのですが、
とくにヨーロッパのワインだと、同じ生産者の同じ銘柄のワインでも、ヴィンテージによって味わいに結構違いがあるものです。

ブルゴーニュの同じワインでも、ある年のものは果実味がしっかりしており翌年のものは青みと酸味が強く感じられる、といったことは普通にあることです。

やはりワインは農産物であり生き物なんですね!

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(2017年6月2日)