ミクロ・クリマは局所的な気象条件、キャノピー・マネジメントはブドウ畑の栽培管理 〜 こうした専門用語はマーケティングのために使われていることも多いですね
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回お話したように、ワイン造りは Viti Vini つまり


1. ブドウ栽培 Viticulture

2.
ワイン醸造 Vinification

という2つのステップに分けられ、それぞれにテクニックや専門用語があります。

今回は「ブドウ栽培(Viti)」に関する専門用語を2つご紹介します。

ワイン用のブドウを育てるのは、じつに複雑なプロセスです。
ブドウ栽培農家はみな、自分の畑の土壌、気候、そしてブドウ品種に本当に合った栽培法を見出すため、常に改善を重ねて、様々な専門技術を採り入れています。

しかしブドウ栽培に関する専門用語の多くは、技術そのものを語るためというよりも、
実際にはマーケティング上の目的で、そのワインの品質が優れているということを語るために使われることが多いです。
ワインボトルの裏ラベルなどに書かれている、ワインの説明文の中でよく見かけます。

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 ▲ブドウ栽培の専門用語は、こういうところに書かれた文章の中で見かけることが多い


◆ミクロ・クリマ Microclimate

どのワイン産地にも、
その地方の標準と考えられている気象条件があります。

たとえばボルドー地方、ブルゴーニュ地方といった地方単位でみれば、

それぞれの地方内では気温、湿度、日照量、降水量、風の向きといった気象条件は
おおむね共通しています。

しかし細かく見ていくと、そうした産地の中にも、個々のブドウ畑の立地条件(たとえば、
ある丘の南向きの斜面に立地するなど)によって、現実には気象条件に多少の違いが見られます。

こうした局所的な気象条件のことを「ミクロ・クリマ」といいます。


◆キャノピー・マネジメント
Canopy Management

キャノピーとはブドウ樹の地表から上の部分、つまりブドウ樹の根っこ以外の部分を指します。

ほったらかしにしていると、ブドウ樹は地表や他の樹の上など、そこらじゅうに伸びていきます。

植物ですから当たり前なのですが、産業としてのブドウ栽培においては、ブドウの枝や芽があちこちに伸びていかないよう、格子やワイヤーなどの器具を使って樹勢を一定のパターンに保つようにします。

具体的には、ブドウの葉を刈り取ったり(除葉)、果実を最適な位置と量に保つため、樹の仕立て方や樹と樹の間隔の調整などを行います。

このような
ブドウ畑における栽培管理のことを「キャノピー・マネジメント」といいます。

こんなふうにブドウの樹勢をコントロールする目的は、
ブドウの房を整然と並ぶようにすることによって、

十分な日光を浴びさせブドウの成熟度を高めたり収穫量を増やしたりするためです。
また
果実の収穫作業を効率的にできるようにすることも目的のひとつです。

キャノピー・マネジメントも、ワイン造りにあたってブドウの成長・成熟に対して多大なケアをしたことをアピールするために、生産者がよく使う言葉です。

(2017年6月8日)