ボルドーのグラン・ヴァン(偉大なワイン)はスゴイですが、それは全体のごく一部 〜 中価格帯にも良いワインがたくさんあるので、探せるようになると面白いですよ
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドーは「世界トップレベルのワイン産地」としての名声を得ています。
そうした評判は、ボルドーが生み出す偉大なワインによるところが大きいでしょう。

偉大なワインのことをグラン・ヴァン grands vins といいます。
歴史や伝統のあるシャトー(= ワイナリー)が造る、何十年も熟成可能なワインのことです。
値段も1本何十万円とします。

本当に偉大なボルドーワインの場合、まだ若い段階には非常に濃く紫がかった外観をしており、カシス、ブラックベリー、ブラックチェリーなどの黒系果実やスパイス、杉などのような香りがします。

最初の10年ほどの間は、強靭すぎるタンニンが果実味を覆ってしまい口当たりが硬く、かなり険しい味わいです。
でも最終的には、ワインは熟成を経てやや褐色を帯び、非常に複雑な香りと風味を持ち、タンニンも溶け込んで口当たりが柔らかくなります。

そのような状態になるまで20〜25年はかかります。

ボルドーのシャトー・ラトゥール
Chateau Latour は100年でも熟成可能と言われています。
ヴィンテージから18年経過したラトゥールを試飲したことがありますが、まだ外観も香りも味わいも信じられないほど若く、タンニンも依然として強靭だったのを覚えています。

ちなみに一流シャトーが造る2番手ブランドのことを、
セカンド・ワイン(フランス語はスゴン・ヴァン second vin)といいます。

セカンド・ワインは、自社の看板ブランド用の原料からは選別されたブドウや、看板ブランド用に使うにはまだ樹齢の若いブドウから造られます。

(例)
・ シャトー・ラトゥールのセカンド・ワインは
 レ・フォール・ド・ラトゥール Les Forts de Latour
・ シャトー・マルゴーのセカンドワインは
 パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー Pavillon Rouge du Chateau
Margaux

このクラスのセカンド・ワインになると、他の通常のシャトーの看板ブランドよりも格段に素晴らしいワインです。

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 ▲レ・フォール・ド・ラトゥール1973年 〜 40年過ぎても骨格がシッカリしていた


こうしたグラン・ヴァンは、ボルドーの赤ワインにおけるピラミッドの頂点だといえます。
ただし数量でいうと、グラン・ヴァンはボルドー全体の赤ワイン生産量から見れば極めて少量で、ほんの例外的な部分に過ぎません。

年間7億本ものワインを産出するボルドー地方には、安価なものから中程度の価格帯のワインがたくさんあります。
中程度の価格帯には面白いワインが結構あります。


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飲み頃を迎え褐色を帯びてきたシャトー・デュ・テルトル2003年 〜 メドック格付けワインだが最新ヴィンテージなら4〜5千円で買える


中価格帯のボルドー赤ワインは、1本3〜4千円台あたりから買うことができます。
メドック格付けを持つ有名シャトーのワインであっても、発売されたばかりの若いヴィンテージであれば、そのくらいの価格で購入できるものもあります。

このようなワインを探せるようになることが、ワインを学ぶメリットの一つですね。
こうした中価格帯のボルドー赤ワインは、収穫年(ヴィンテージ)から10〜15年くらいで飲み頃を迎えます。

いちばん低価格帯のボルドー赤でしたら、スーパーなどで1本千円前後で売られているものもあります。
このクラスのワインはあまり長期熟成には向かないので、買ってすぐ、遅くともヴィンテージ後2〜5年以内に飲んでしまったほうが良いでしょう。

(2017年6月23日)