ボルドーには白ワインもあります 〜 グラーヴ地区には上級白ワインがありますが、ぼくはアントル・ドゥ・メール地区のシーフードによく合うお手頃白ワインが結構好きです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

これまでボルドー地方の赤ワインを中心に述べてきましたが、ボルドーには白ワインもあります。
ボルドーの白ワインには、辛口と甘口があります。

ボルドー甘口の代表格はソーテルヌ地区の貴腐ワインですが、これについてはまた別の機会にまとめてみようと思います。

今回はボルドーの辛口白ワインについてです。

ボルドーの辛口白ワインは、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンの2つが主要品種で、たいていブレンドされています。
両者のブレンド比率は様々ですが、この2つは非常に良い組み合わせです。

ソーヴィニヨン・ブランはワインにフレッシュな爽快さを与える一方、
セミヨンはワインにコクと重量感をもたらし、熟成にも耐える力を与えます。

ボルドーの辛口白ワインで手頃な価格のものは、たいていソーヴィニヨン・ブラン主体です。
もちろん、なかには素晴らしいものもあります。

逆に、セミヨン比率が高いほど熟成向きのワインだと判断できます。

ボルドーの高級辛口白ワインは 若いうちは爽やかさがあり活き活きとしていますが 
熟成させると年とともにコクや複雑さを帯び、ハチミツのような香りも出てきます。
樽香がすることも多いです。

辛口白ワインでも高級なものは長期熟成に耐え、飲み頃を迎えるまで10年くらいは熟成が必要です。

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 ▲アントル・ドゥ・メールの白ワインはシーフードによく合う


ボルドーの辛口白ワインの産地としては、グラーヴ地区(とくにペサック・レオニャン地区)とアントル・ドゥ・メール地区 Entre-Deux-Mers の2つが重要です。

位置関係についてはこちらをご覧ください(↓)
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●グラーヴ地区(とくにペサック・レオニャン地区

グラーヴ地区の白ワインは、昔は安物白ワインの代名詞だったそうです。
シャトー・オー・ブリオンやドメーヌ・ド・シュヴァリエなどごく少数の生産者が、例外的に高品質な辛口白ワインを造っているのみでした。

ボルドーの白ワイン全般の品質向上が進んだのは1960年代に低温発酵の技術が導入されて以降です。
さらに1980年代以降、スキンコンタクトや樽発酵などの技術革新によって飛躍的に品質が向上しました。

現在ではグラーヴ地区、とくに北部にあるペサックレオニャン地区はボルドーの上級辛口白ワインの中心地となっています。

ペサック・レオニャン地区の優良な辛口白ワインをいくつかリストアップします。

・ Ch. Haut-Brion Blanc オー・ブリオン・ブラン(希少、1本20万円くらいします)
・ Domaine de Chevalier ドメーヌ・ド・シュヴァリエ(1〜2万円)
・ Ch. Smith-Haut-Lafitte スミス・オー・ラフィット(1〜2万円)
・ Ch. Malartic-Lagraviere マラルティック・ラグラヴィエール(1万円前後)
・ Ch. de Fieuzal ド・フューザル(8千円前後)
・ Ch. Carbonnieux カルボニュー(5千円前後)

上記のうち、とくにオー・ブリオン・ブランとドメーヌ・ド・シュヴァリエは深みや複雑さなど品質が抜群であるだけでなく、熟成可能期間も他のものより長い白ワインです。

また、スミス・オー・ラフィットとマラルティック・ラグラヴィエールはソーヴィニヨン・ブラン比率が高いのが特徴です(ヴィンテージによるが80%から100%)。

●アントル・ドゥ・メール地区

ガロンヌ河とドルドーニュ河の間に位置するアントル・ドゥ・メール地区は、シーフードによく合う軽快な辛口白ワインの産地として知られています。

若飲みタイプで、値段も2千円から5千円台くらいまでの手頃なものが多いです。

ぼくは個人的に、レストランなどでシーフードを食べるとき、ワインリストにアントル・ドゥ・メールの白ワインがあったら注文してみることが多いです。
ソーヴィニヨン・ブラン主体なので味わいがハツラツとしており、魚介類によく合うのです。


なお、赤ワインが圧倒的に主体のオーメドック地区でも、少量ながら白ワインは造られています。
一流シャトーが造るものは品質も価格も上等です。
たとえばシャトー・マルゴーが造るパヴィヨン・ブラン Pavillon Blanc du Chateau Margaux などが有名です。

AOCオーメドックやその中にあるポイヤック、マルゴーなど6つの村のAOCは赤ワインだけに適用されるため、どれだけ品質が優れた高価な白ワインであっても、AOCボルドー・ブランとだけ名乗ります。

(2017年7月3日)