ブルゴーニュはボルドーと双璧をなすフランスの名醸地 〜 小さな畑がたくさんありテロワールも非常に多様、隣の畑でも全く違うタイプのワインができるのが面白いところです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回まで11回に分けてボルドー地方について書いてきました。
今回からブルゴーニュ地方に移ります。

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 ▲ラ・ロマネ La Romanee はフランスで面積最小(0.85ha)のAOC


◆ブルゴーニュ地方

ブルゴーニュ地方はフランス東部、パリのやや南東に位置するワイン産地です。
フランスの2大産地のひとつとして、ボルドーと肩を並べる存在です。

赤ワインで名高いボルドーと異なり、ブルゴーニュは赤ワインも白ワインも世界的に高く評価されています

ボルドーともう一つ違うのは、ブルゴーニュの人気ワインはだいたい品薄で入手が難しいという点です。

その理由は簡単です。
ボージョレー地区を除いたブルゴーニュ地方のワイン生産量は、ボルドー地方の約25%にすぎないのです。

ブルゴーニュ地方のワインは、いわば少数精鋭なのですね。

また、ボルドーに比べてブルゴーニュのブドウ畑は細かく断片化されています

ブルゴーニュ地方の土壌は基本的には石灰質ですが、実際には場所や丘によって非常に変化に富んでいます。
それこそ同じ丘でも中腹と裾野では土壌の構成が異なったりするのです。

農道を挟んで互いに2メートルしか離れていない2つの畑で同じブドウを栽培しても、それぞれ明らかに違う味わいのワインができたりするのがブルゴーニュです。

ボルドーと比べて、ブルゴーニュは小さな畑がたくさん集まっている地域だといえます。
生産者も、ボルドーでは比較的規模が大きいのに対して、ブルゴーニュでは家族経営の零細農家が多いです。

大きな畑があっても、複数の家族によって分割所有されていることが多く、
個々の家族はそのブドウ畑のうち2〜3列しか持っていないこともあります。

有名な畑のひとつであるクロ・ド・ヴージョ Clos de Vougeot は、ブルゴーニュで面積最大のグラン・クリュ(特級畑)ですが、80人あまりの造り手が分割して所有しており、それぞれのワインのスタイルも様々です。

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 ▲このクロ・ド・ヴージョの造り手はユドロ・ノエラ

ボルドーではブドウ栽培からワイン醸造・瓶詰めまで一貫して行なうワイナリーのことをシャトーと呼びますが、ブルゴーニュではドメーヌと呼びます
シャトー(城)とドメーヌ(所有地)という呼び方の違いからも、ブルゴーニュの造り手の規模の小ささが感じられます。

ブルゴーニュのドメーヌの生産量は、ワイン1種類あたり年間50ケースから1000ケース程度なのが普通です。
世界中のファンの手に行き渡るには全然足りない量ですね。
ボルドーのシャトーが、主力となるワインを年間1万5千ケースから2万ケースも造るのとは大違いです。

わかりやすく単純化して言えば、ボルドーの高級ワインはお金さえ出せば購入できますが、
ブルゴーニュの人気ワインはそもそも数が十分に出回っていないので、買うこと自体が困難な場合が多いのです。

こういうところがブルゴーニュワインの魅力でもあるんですけどね。

これから数回にわたってブルゴーニュについてのお話を進めていきます。
どうぞお付き合いください!

(2017年7月4日)