ロワール河が大西洋に注ぐエリアのペイ・ナンテ地区は生ガキや魚貝類に合う爽やかなミュスカデの本拠地 〜 日本の甲州と同様シュール・リー製法で造られるものが多いです
スマートフォン用サイト
バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ロワール河の下流域、この大河がちょうど大西洋に注ぐエリアの産地を
ペイ・ナンテ地区 Pays Nantais
と呼びます。
このエリアの中心都市であるナンテの町からつけられた名称です。

このエリアはミュスカデという白ブドウの本拠地です。

muscadet
 ▲ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌはキリッと辛口の白ワイン

ミュスカデの白ワインはライトボディで爽やかな辛口で、非常にキレがよいのが特徴です。
ソーヴィニヨン・ブランのワインをさらに細くしたような味わいです。

爽やかな酸味とフレッシュな風味、くっきりとしたミネラル感が感じられるワインですので、生牡蠣、アサリ、ムール貝、川魚などとピッタリです。

ペイ・ナンテ地区で最も生産量が多いのは、
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ Musucadet-Sevre et Maine という産地のものです。
ミュスカデのワインで、ぼくたちが目にすることが多いのもこれだと思います。
ラベルにも Musucadet-Sevre et Maine と表記されています。

ミュスカデは香りが穏やかでブドウそのものには際立った特徴がないため、ワインはシュール・リー Sur lie
製法で造られるのが主流です(ラベルにも Sur lie と記載されていることが多い)。

シュール・リーとは、発酵タンク内で滓(オリ = 発酵を終えた酵母の死骸)の上で一定期間熟成させ、その後タンクから直接瓶詰めされたワインのことです。

より具体的にいうと、ワインのアルコール発酵終了後、ワインを滓引きせずにそのまま発酵タンクの中に放置して年を越させ、翌4〜5月に滓の上にあるワインの上澄みだけを取り出して瓶詰めを行なうことです。
こうして滓の上にワインを接触させておくことによって、滓由来の風味をワインに取り込むのです。

シュール・リーを行うと、活き活きと爽やかなワインになります。
シュール・リーを行なう代表的なワインはミュスカデと日本の甲州です。

【関連記事】
シュール・リーはミュスカデや甲州、MLFは赤ワインやシャルドネの高級白ワインに多く使われるワイン醸造テクニック 〜 風味を引き出したり酸味を抑制したり様々な工夫があります
アルバリーニョ、シュナン・ブラン、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカデ、ヴィオニエ・・・白ブドウもいろいろ 〜 たくさんのブドウに出合えたら面白いですね!

ミュスカデのワインは1本1000円から1500円くらいで購入できます。
近所のスーパーに置いてあるかもしれません。
ぼくの家の近くのドン・キホーテでも、1200円のミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌが売られています。

スッキリ気軽に楽しめるワインですので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。



(2017年7月27日)