アルザス地方は9割以上が白ワイン 〜 リースリングは高貴なアルザスワインの王様、ゲヴュルツトラミネールはエキゾチックでスパイシーなアジア料理によく合うワインです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

アルザスではピノ・ノワールから赤ワインも造られていますが、
アルザスワイン全体の9割以上が白ワインです。

アルザスの白ブドウは次の6種類です。
・ リースリング
・ ゲヴュルツトラミネール
・ ピノ・グリ
・ ミュスカ

・ ピノ・ブラン
・ シルヴァネール

このうち特に大事なブドウは、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ピノ・ブランです。
なかでもリースリングゲヴュルツトラミネールは、アルザスを代表するユニークで価値あるワインです。


● リースリング

アルザスワインの王様です。
リースリングの白ワインには青リンゴのようなフルーティな香り、若いうちは白い花のような華やかな香りもあります。
独特の石油のような香り(ペトロール香という)が感じられることも多いです。

しっかりとした酸味を伴い、フレッシュ、フルーティ、フローラルで高貴な印象のワインになります。

基本は辛口ですが、すぐれた生産者が造る上級品のなかには残糖分を含み甘く感じられるものもあります。
若いうちに飲んで楽しめますが、上等品は10年くらい熟成させることも可能です。

リースリングのワインはだいたい1本1800円〜5千円くらいで購入できます。
上等品は1万円くらいするものもあります。


● ゲヴュルツトラミネール


アルザス地方を本拠地とするブドウ品種です。
果皮がピンク色の白ブドウで、濃い色の白ワインになります。

ゲヴュルツトラミネールのワインは非常にアロマティック
で、ライチを思わせる果実香とバラのような香りが爆発的に迫ってきます。

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 ▲アルザスのゲヴュルツトラミネールはライチやバラの香りのパンチがものすごい


アルコールが高く酸味の低いワインになるため、実際には残糖分がほとんど無くても、甘味があるように感じられます。

ワインはフルボディのまったりした力強いタイプになります。
この独特のエキゾチックでスパイシーな風味は、人によってかなり好き嫌いが分かれるでしょう。

もしアルザスのゲヴュルツトラミネールを試したことがなければ、世界で最も特徴的なワインをまだ経験していないことになりますね。

価格はリースリングと同じくらいです(ただしリースリングのように熟成には向きません)。

ゲヴュルツトラミネールは、カレーをはじめとするスパイシーなアジア料理に合うワインです。
未経験の方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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●ピノ・グリ

ピノ・グリはゲヴュルツトラミネールと同様に果皮がピンク色の白ブドウで、イタリアのピノ・グリージョと同じブドウです。
ピノ・グリは生物学的にはピノ・ノワールが突然変異してできたブドウ品種です。

それほど特徴的な香りはなく、しいて言えば白桃やアンズのようなニュアンスの香りでしょうか。
アルコール感が高く肉付きのよい白ワインとなるため、アルザス地方では豚肉など肉料理にあわせて飲むことも多いようです。
アルザスのピノ・グリは1本1800円〜4千円くらいです。


●ピノ・ブラン

ピノ・ブランは現地ではクレヴネルとも呼ばれる品種で、ここにあげた4品種のなかでは最も軽く感じられるワインです。
香りも穏やかでそれほど特徴はなく、酸味のあるライトボディの辛口白ワインになります。
基本的には安価なものが多く、1本1500円〜2千円くらいで購入できます。

造り手のなかには、アルザスワインの入門者向けに ピノ・ブランを中辛口(すこし甘口)に仕立てて造っているものもあります。


なおアルザスにはAOCアルザス・グランクリュという上級の白ワインだけが認められる小地区が51あり、
リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカの4つが指定品種となっています(上級指定品種)。

アルザス・グランクリュではブドウ品種のブレンドは認められておらず、ブドウは手摘みが義務付けられています。

(2017年7月29日)