ラングドック・ルーション地方はフランス最大の産地 〜 日常消費用ワインが大半ですが、地ワインはペイ・ドック Pays d'Oc と呼ばれ、安くてお買い得なワインです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

フランスで最も変化と活力に満ちた勢いあるワイン産地をあげるとすれば、フランス南部だと思います。
とはいえフランス南部は、フランスで最も古いワイン産地でもあります。
紀元前6世紀にはギリシャ人がこのあたりですでにワインを造っていました。

ラングドック・ルーション地方はフランス南部、プロヴァンスの西からスペイン国境にかけて地中海沿岸に広がるワイン産地です。
ひと続きになっているので "ラングドック・ルーション" と総称されていますが、厳密にはそれぞれ別の産地です。

プロヴァンス西部から地中海沿岸の平地に広がるのがラングドック地方
さらに西に行きスペイン国境ピレネー山脈の山裾の丘陵地に拓かれているのがルーション地方です(ルーション地方は文化的にもスペイン・カタルーニャ地方に近い)。

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日照量に恵まれ、乾燥した気候のラングドック・ルーション地方はワイン生産量でフランス最大の産地です。
このエリアでフランスワイン全体の40%以上を生産しています。

生産されているのは、ヴァン・ド・ターブルやヴァン・ド・ペイ(現在はIGP)の安価な日常消費用ワインが大半です。
フランスの日常消費用ワインの約半分はラングドック・ルーション地方産です。

ラングドック・ルーション地方で造られるワインの8割以上が赤ワインです。
フランスの赤ワインの半分以上が
ラングドック・ルーション地方で造られています

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 ▲メルローのペイ・ドック

この地方で産まれる力強い赤ワインは、伝統的にグルナッシュ、ムールヴェドル、カリニャンといった南部の典型的なブドウ品種から造られます。 
しかしここ2〜30年ほどはシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどを用いて高級志向のワインを造る動きが生産者の間で広がってきています。

ブドウ品種は単一で使われることも、ブレンドされることももあります。

ラングドック・ルーション地方のヴァン・ド・ペイ(IGP)はペイ・ドック Pays d'Oc と呼ばれ、ラングドック・ルーション地方じゅうのブドウで造られる "地ワイン" ですが、安くてお買い得なワインが多いです。

AOCクラスのワインも存在します。
ラングドック地方の有名なAOCは
・ コルビエール Corbieres
ミネルヴォワ Minervois
サンシニアン Saint-Chinian
フィトゥー Fitou
で、いずれも力強い赤ワインです。

Pay d'Oc もAOCワインもだいたい千円台〜2千円までで購入できますので、濃い目の赤ワインを気軽に楽しみたいときにはオススメです。
スーパーやディスカウントストアでもよく見かけますね。

ルーション地方にもAOCコリウール Collioure がありますが、
同じ地域で生産されるVDN(ヴァン・ドゥー・ナテュレル Vin Doux Naturels = 天然甘口ワイン)であるバニュルス Banyuls が有名です。

VDNとはワインのアルコール発酵中にブランデー等を添加して、アルコール発酵を停止させて造られる甘口の酒精強化ワインです。

バニュルスはポルト(ポートワイン)のような色をした甘口ですが、ポルトほどベトついた感じがなく意外にさらっとした口当たりで、けっこう美味しくてクセになるかもしれませんよ ^^

(2017年7月30日)