フランス南西地方は郷土色あふれる個性的なワインの宝庫です 〜 力強い赤ワインのカオール、マディラン、甘口白ワインのモンバジャック、ジュランソンが有名です
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドー地方の南からスペイン国境のピレネー山脈にかけて、フランス南西部一帯にブドウ畑が広がっています。
この広いエリアのことを大括りに南西地方 Sud-Ouest といいます。

広大なエリアにワイン産地が点在し、各地で多様なスタイルのワインが造られており、南西地方のワインをひとくくりにして述べるのは困難です。

それらの中では、
ボルドーの近郊でボルドーと似たスタイルのワインを造るベルジュラック地区
カオールマディランなどの重厚な赤ワイン、
モンバジャックジュランソンなどの甘口白ワインが有名です。

sud-ouest_map

● ベルジュラック Bergerac


ボルドーのサン・テミリオンなどが位置するドルドーニュ河を上流に遡って行くと、ベルジュラックの町を中心としたベルジュラック地区が広がっています。

ボルドー地方に近いため、ボルドーと同じ品種(赤はメルロー主体、白はセミヨンとソーヴィニヨン・ブラン)でボルドーのようなワイン造りが行われていますが、価格はボルドーより割安です。
1本千円ちょっとで買えるものもあります。

ベルジュラック地区では甘口白ワインも造られており、モンバジャック Monbazillac がよく知られています。

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 ▲ベルジュラック地区のボルドースタイルの赤ワイン


● カオール Cahors

南西地方で最も高名な赤ワインの産地です。
主要品種はマルベックで、近年はラベルに表示されることが多くなっています。
アルゼンチンを除いて、世界中でマルベックが主要なブドウ品種となっている産地はほかにありません。

カオールの赤ワインは伝統的には色が大変濃く、タンニン豊富で、飲み頃になるまで10年くらい熟成が必要なワインですが、最近では飲みやすいスタイルのものも出ています。

伝統的なカオールのすぐれた造り手としてはシャトー・ラグレゼット C
hateau Lagrezette がよく知られています。1本4千円くらいです。

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 ▲シャトー・ラグレゼットのカオール


● マディラン Madiran

非常にタンニンが豊富なフルボディの赤ワインです。
鹿肉、鴨肉のほか、カスレなどボリュームある郷土料理にはピッタリです。

主要ブドウ品種はタナ tannat で、タンニンの語源となったブドウ品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランも補助的に使用されます。

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 ▲タンニン豊富で力強いワイン「マディラン」


● ジュランソン Jurancon

晩秋に山から吹き降ろす南風によって樹上で過熟したブドウから、甘口の白ワインが造られます。
プティ・マンサン及びグロ・マンサンというブドウ品種が主体です。辛口もあります。

隣接するポー市 Pau はブルボン王朝の創始者アンリ4世(在位1589-1610年)の生誕地で、
ジュランソンはアンリ4世の洗礼式に使われたことで有名です。

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 ▲ジュランソンの辛口

フランス南西地方は非常にローカル色あふれる個性的なワインの宝庫です。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

(2017年8月1日)