トスカーナ州のキアンティは世界で最もよく知られているイタリアワイン 〜 主要品種はサンジョヴェーゼで、イタリアで栽培面積第1位のブドウです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回まで5回にわたり、イタリアで第1位の高級ワイン産地であるピエモンテ州について述べてきました。

ピエモンテ州にはオススメ白もあります 〜 ガヴィは日本でもポピュラーなスッキリ系白ワイン、ロエーロ・アルネイスは芳香と果実味に富むやさしい白ワインです

バルベーラは酸味が豊富でジューシーな気軽に飲める赤ワイン 〜 パスタやピッツァなどカジュアルなイタリアン、とくにトマトベースの味の料理には非常によく合います

ピエモンテ州で日常的に飲まれているドルチェットの赤ワイン 〜 ドルチェみたいな名前から甘口を思い浮かべるかもしれませんが、れっきとした辛口ワインです

バローロとバルバレスコには伝統派スタイルとモダン派スタイルがありますが、近年では両者の境界はぼやけてきており中間派が多くなっています

ピエモンテ州はイタリア第1位の高級ワイン産地 〜 高貴なネッビオーロ種から造られるバローロとバルバレスコはイタリアを代表する偉大な赤ワインです


今回からはピエモンテと並ぶ2大名醸地の一つである、トスカーナ州について見ていきましょう。

州都のフィレンツェ、ミケランジェロのダビデ像、ピサの斜塔・・・トスカーナ州は観光地として人気ですが、ワインの名産地でもあります。
そして、世界で最もよく知られているイタリアワインであるキアンティの産地でもあります。

トスカーナ州はピエモンテ州に次ぐ高品質ワインの産地で、生産量の85%が.赤ワインとなります。
キアンティ、キアンティ・クラシコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノといった赤ワインが有名です。

toscana
 ▲トスカーナ州 〜 黄色い部分がDOCGキアンティ、赤い部分
がキアンティ・クラシコ(△魯屮襯優奪蹇Ε妊・モンタルチーノ、はボルゲリ)


●キアンティ Chianti

キアンティは、キアンティ・クラシコのエリアを取り囲むようにトスカーナ州中央部じゅうに広がる 大きなワイン産地です。
全域がDOCGエリアとなります(残念ながら一部はDOCGに値しないようなところも含まれています)。

【関連記事】キアンティ・クラシコこそが本来のキアンティだった 〜 キアンティを名乗れる地域が拡大してしまったため、元々のキアンティ地区がクラシコを名乗るようになったのです

キアンティは7つのサブゾーンに分かれており、ひとつのサブゾーン内のブドウだけを使って造ったワインならば、そのサブゾーン名をラベル表記することもできます。
2つ以上のサブゾーンのブドウをブレンドしている等のケースであれば、単にキアンティとだけ名乗ります。

品質的にとくに優れたサブゾーンはキアンティ・ルフィーナ Chianti Rufina という小さなエリアです。
(ルフィーノ Ruffino というキアンティの有名な生産者と混同しないように。)

キアンティの主要品種はサンジョヴェーゼです。
サンジョヴェーゼはイタリアで栽培面積が第1位の黒ブドウです。

キアンティのワインはサンジョヴェーゼを最低70%使用しなければなりません。
もちろん100%サンジョヴェーゼでもOKです。

カナイオーロなどの土着品種のほかカベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種をブレンドしてもよいことになっています(サブゾーンによって10%〜15%まで)。

キアンティ・クラシコとは異なり、10%まで白ブドウも混ぜてよいことになっています。

リゼルヴァ Riserva は醸造後に最低2年間熟成させることが必要です。

DOCGキアンティのワインはスタイルも品質も千差万別です。
軽めで飲みやすい、安価なタイプのものであれば1本千円〜1200円程度で入手できますし、
力強く熟成も可能なタイプのものでしたら3千円から4千円くらいになります。

キアンティのワインはたいていチェリーやスミレのような香りを伴います。
ワインのスタイルにもよりますが、タンニンと果実味は弱くもなく強すぎもしない中程度のワインです。
酸味は比較的感じられます。

ほとんどのイタリアワインと同じく、食事にとても合わせやすいワインです。
きっと近所のスーパーにも売っていると思いますよ!

(2017年8月11日)