意外と細かいスペインワインの品質分類 〜 もともとあった DO,DOCa のほかに VP,VC などスペイン独自の分類が2003年に加わって、分類が多岐にわたっています
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

この1週間ほどスペインのワインについて述べてきました。
締めくくりとして、スペインワインのラベルに書かれている用語と、スペインワイン法における品質分類についてまとめておきましょう。

● ラベルに記載の用語

・ Blanco = 白ワイン
・ Tinto
= 赤ワイン
・ Bodega
= ワイナリー
・ Cosecha または Vendimia
= ヴィンテージ(収穫年)

・ Crianza
=  
<赤ワインの場合>
・・・合計24ヶ月の熟成を経ている(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)
<白・ロゼの場合>
・・・合計18ヶ月の熟成を経ている(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)

・ Reserva
=
<赤ワインの場合>
・・・合計36ヶ月の熟成を経ている(そのうち12ヶ月以上は樽熟成)
<白・ロゼの場合>
・・・合計24ヶ月の熟成を経ている(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)

・ Gran Reserva
=
<赤ワインの場合>
合計60ヶ月の熟成を経ている(そのうち18ヶ月以上は樽熟成)
<白・ロゼの場合>
合計48ヶ月の熟成を経ている(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)

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リオハのワインは伝統的に、発売前に長い熟成期間を経るものが多いです 〜 熟成期間に応じてクリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバという呼称があります



● スペインワインの品質分類

スペインのワイン法における品質分類は、もともとあったDOCa、DOなどの分類に加えて、2003年にVP、VCなど新しい独自の分類が加わっているため、他のヨーロッパ諸国よりも分類が多岐にわたり若干わかりにくくなっています。

2009年に発効した新EUワイン法の分類に照らしながら整理してみましょう。


 スペインのワイン品質分類

spanish_wine_grades


EUワイン法はEU加盟国を拘束するので、各国のワイン法もその枠組みに沿ったものである必要があります。

EUワイン法では、ワインをまず「地理的表示付きのワイン」と「地理的表示のない」ワインに分けています。
「地理的表示付きのワイン」はさらに、AOP(原産地呼称保護)と IGP(地理的表示保護)に分類されます。

AOP のことをスペイン語では DOP と呼びます。
DOP = Denominacion de Origen Protegida
意味は AOP と同じく「原産地呼称保護」です。

(1) DOPワイン

スペインでは、DOPワインにはもともと次の2段階があります。

DO = Denominacion de Origen (原産地呼称)
DOCa = Denominacion de Origen Calificada (特選原産地呼称)

DOCa は DO よりも高ランクで、現在リオハ Rioja とプリオラート Priorat の2地域のみがDOCa認定されています。

2003年にスペインは、DOCaの上にVPというランクを設けました。
VPVino de Pago ビノ・デ・パゴ で「単一ブドウ畑限定ワイン」です。

これは個性的なテロワールの畑から作られる高品質ワインを銘柄単位で認定するもので、品質規定はDOCaに準じます。

その畑は既存のDOやDOCaに認定されていない地域のものでもよい、とされています。
そして、もしそれがDOCaの認定地域と重なる場合は、 VPC(Vino de Pago Calificado; 上質単一ブドウ畑限定ワイン)と表示してもよいことになっています。

VPは2016年8月現在で14銘柄が認定されていますが、VPCに認定されているワインはまだ存在しません。

2003年にもうひとつ、DOの下に設けられたのがVC(Vino de Calidad con Indicacion Geografica; 地域名付き高級ワイン)です。

VCは特定の地域で収穫されたブドウを原料とし、その地域性を表現したワインで、VCに認定されるとその5年後にDOに昇格申請が可能となります。

(2) IGPワイン

EUワイン法のIGPワインに相当するのは、スペインでは Vino de la Tierra で、いわゆる地酒、地ワインです。
この表記の後ろに認定地域の名前が表示されます。

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AOP,DOP,AOC,DOC,DOCG,DO,DOCa ・・・原産地呼称制度も国によって呼び名が違うなんて、ヨーロッパって大変ですね。。でも産地に対する各国の強い思いが込められています
ヨーロッパの地理的表示付きのワインのラベル表示はAOPとIGPの2種類!のはずですが、加盟国がもともと使用していたDOCG等の表示がまだまだ健在なのは、EUの求心力のなさだったりして?

スペインのワイン品質分類は他の欧州諸国に比べてやや細かいのですね。
ただ、実際ぼくらが日頃スペインワインを楽しむ上では、とりあえずDOとDOCaだけ知っていれば十分だと思いますよ。

(2017年8月30日)