ドイツワインの95%以上は上級ワイン 〜 プレディカーツヴァインとそれに次ぐクヴァリテーツヴァインは、EUワイン法に当てはめるとAOPワインレベルの上級ワインとなります
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回、最上級のドイツワインにはプレディカート、すなわち「肩書き」があるということを述べました。

プレディカートを持っているワインは総称してプレディカーツヴァインと呼ばれ、
プレディカーツヴァインは、ブドウの成熟度が最も高いものから順に次の6段階に分かれます。
  1. トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ Trockenbeerenauslese(粒選り貴腐ワイン) 
  2. アイスヴァイン Eiswein(氷結ワイン)
  3. ベーレン・アウスレーゼ Beerenauslese(粒選りワイン)
  4. アウスレーゼ Auslese(完熟房選りワイン)
  5. シュペトレーゼ Spatlese(遅摘みワイン)
  6. カビネット Kabinett(通常収穫ワイン)
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プレディカーツヴァインのうち、上位3つのプレディカートレベルのワインは、ブドウに含まれる糖分の量がとても高いので、ワインはどうしても甘口になります。

そのため多くの人は、プレディカートのレベルは「ワインの甘さ」を示すものだという間違った理解をしてしまっています。。

しかし本当は、プレディカートは収穫時点での「ブドウに含まれる糖分」の量を示すものなのであって、ワインの中に含まれる糖分量を示すものではありません。

下位3つのプレディカートのレベルの場合は、ブドウに含まれる糖分は完全にアルコール発酵することができるので、造ろうと思えば辛口ワインに仕立てることもできます。
ですから、こららのワインに関しては、プレディーカートのレベルとワインの甘さとの間に、直接的な相関関係はありません。

たとえば実際、カビネット Kabinett のワインは通常は甘みがありますが、
なかにはカビネット・トロッケン Kabinett Trocken と呼ばれる辛口ワインも存在します。

これまで述べてきたように、ドイツのワイン等級システムは生産地区や畑の優良性ではなくブドウの成熟度(糖分量)の高さに応じてランク分けされているわけですが、

その最上級レベルであるプレディカーツヴァインはEUワイン法の枠組みの中ではAOPワイン、すなわち「原産地呼称保護ワイン」のカテゴリーに括られています(イタリアでいうDOCGレベルですね)。

ブドウの成熟度がプレディカーツヴァインほどではないが通常よりは上の場合も、
QbA = Qualitatswein クヴァリテーツヴァイン(直訳するとクオリティワイン = 品質の良いワイン)と呼ばれ、ドイツではプレディカーツヴァインに次ぐランクになります。

クヴァリテーツヴァインも、EUワイン法の枠組みではAOPワイン、すなわち「原産地呼称保護ワイン」のカテゴリーに入ります(イタリアでいうDOCレベルですね)。

ドイツには13の「特定栽培地域」があるのですが、プレディカーツヴァインもクヴァリテーツヴァインも、必ずこれらの13地域のワインです。

ちなみにドイツワインの95%以上は、プレディカーツヴァインかクヴァリテーツヴァインです。
つまり、ドイツワインのほとんどがEUワイン法でいうAOPワインレベルの上級ワインということになるわけです。
スゴイですよね!

(2017年9月6日)