ドイツには13の特定ブドウ栽培地域があります 〜 ドイツ最古のワイン産地モーゼルとドイツ最高のリースリング産地ラインガウが、ドイツの2大名醸地です
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ドイツには大きく13のワイン生産地域があります。
13のうち、11が旧西ドイツ側にあり、2つが旧東ドイツ側にあります。

これら13のワイン生産地域はベシュティムテ・アンバウゲビーテ Bestimmte Anbaugebiete特定栽培地域)と呼ばれており、QbA以上のワインに適用される地域です。

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 ▲ドイツの13特定栽培地域

13の特定栽培地域のうち最も有名なのはモーゼル Mosel です。
この産地の中央を流れるモーゼル河から名づけられており、モーゼル河に沿ってブドウ畑が広がっています。

もう一つの有名な産地は、ライン河に沿ったラインガウ Rheingau です。
モーゼルとラインガウの2つがドイツを代表する2大名醸地といってよいでしょう。

ドイツにはライン河から名づけられたワイン産地が、ラインガウのほかにも3つあります。
ひとつはラインヘッセン Rheinhessen、もうひとつはファルツ Pfartz (かつてラインファルツ Rheinpfaltz と呼ばれたので)、それからミッテルライン Mittelrhein いう小さな産地です。

このほかナーエ Naheバーデン Baden も、近年よく知られている地域です。


●モーゼル Mosel

モーゼル地方はドイツ最古のワイン産地で、ラインガウと並ぶ名醸地です。
モーゼル地方は以前はモーゼル・ザール・ルーバー Mosel-Saar-Ruwer と言う名前で知られていました。
ワインの産地として有名であることはもちろん、非常に風光明媚な場所としても知られています。

モーゼル地方はドイツで4番目に大きなワイン産地です。
モーゼルワインのブドウ畑は、くねくねと曲がりくねったモーゼル河岸の急峻な斜面に広がっています。

モーゼルのワインはドイツの中でも特にライトボディーなワインです。
おおむね10%以下のアルコール度数のワインがほとんどです。

モーゼル地方は白ワイン比率が非常に高く、モーゼルワインの約9割%が白ワインです。
総じてデリケートで、フレッシュで、エレガントなリースリングがモーゼル地方のの6割近くを占めています。

モーゼル地方のワインは、すぐにそれと判別がつきます。
モーゼルワインは緑色のボトルに入っているからです(他のドイツでは茶色のボトルが普通です)。


●ラインガウ Rheingau

ラインガウはドイツの中でも小さなワイン産地のひとつです。
ライン河沿いの非常に急峻な斜面にあるブドウ畑が特徴で、最高品質のリースリングの産地として有名です。

しかしモーゼルと異なり、このライン河はスイスからフランス、ドイツを抜けてオランダを通りロッテルダム付近で北海に注ぐ全長1233kmの大河です。
そのうち約700kmがドイツ国内を流れています。

ラインガウではリースリングが生産量の約8割を占めています。
多くは南に面する斜面に植えられているため、限られた日照量を多く吸収し、ブドウの成熟度が高まります。

現在のラインガウのワインのスタイルには、2つの両極端な傾向が見られます。
ひとつは辛口ワイン、もうひとつは遅摘みの甘口ワインです。

ラインガウ地方の辛口リースリングはとても美味しいのでオススメです。


●ラインヘッセン Rheinhessen

ラインヘッセンはドイツ最大のワイン産地です。
ブドウ栽培面積がドイツ最大であるとともに、ワイン生産量もドイツ最大です。

ラインヘッセンは伝統的にシンプルな味わいの日常的ワインを大量に造っている産地です。
日本でマドンナの商標で知られるリープフラウミルヒのふるさとはラインヘッセン。
商業的な観点から言えば、今でもこの地域で最も重要なワインのひとつです。

上記のようにラインヘッセンは大衆的なワインの産地として知られていましたが、近年そのイメージもかなり改善してきました。
今では、とても面白い辛口リースリングが造られるようになっているのです。

エレガントで品のあるドイツ辛口のリースリング、これからますます注目したいワインです。

(2017年9月9日)