ギリシャはヨーロッパにおけるワイン文明発祥の地ですが、現在は新興の生産国 〜 近年の進歩は目覚しく、いまやギリシャワインは知るに値するワインです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ギリシャは世界最古のワイン産地のひとつで、ヨーロッパにおけるブドウ栽培技術や醸造技術の発祥の地です。

そんな "ワイン文明" の発祥の地はクレタ島だと言われています。
紀元前18世紀頃、クノッソス宮殿が建てられた頃からワイン造りが行われ、宮殿近くのヴァシペトロには世界最古の足踏み式ブドウ破砕器が残っています。

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 ▲ギリシャのクレタ島の風景

そのような歴史あるワイン文明国が、今日では新興のワイン生産国として扱われていると聞いても、なんだか理解しにくいものがありますよね。

しかし実際にそうなのです。

ギリシャは今日まで3千年以上にわたり、ワイン造りをやめたことはありませんでした。
しかし長い歴史のなかで、オスマントルコの支配による抑制、政治的混乱などの事情が重なり、ギリシャのワイン産業は非常に歩みの遅れたものとなりました。

ギリシャのワイン造りの近代化は1960年代になってようやく始まりました。
その後は少しずつ前進し、とくに最近10年ほどは目覚しい進歩を成し遂げています。

いまや、ギリシャワインは知るに値するワインだと思います。

ギリシャは南ヨーロッパにある国で、まぶしい日光のイメージがありますが、ブドウ栽培という点で見れば、その気候は極めて変化に富んでいます。

ブドウ畑の多くは標高の高い気候の冷涼なエリアに位置しています。
実際ギリシャのほとんどは山地です。

ギリシャのワインの偉大な資産は(それは同時にハンディキャップでもあるのですが)、土着のブドウ品種が豊富にあることです。300種類以上あります。

ギリシャよりたくさんの土着ブドウ品種があるのはイタリアだけです。

こうした土着品種の存在が、好奇心旺盛なワイン飲みたちにとって、ギリシャワインを特に面白いものにしています。

反面、難解であまり馴染みのないギリシャの土着品種名が、ギリシャワインの輸出販売を少々難しくしている面もあります。

ギリシャでもシャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなど国際品種のワインは生産されており、品質も良くなっています。
しかし最近ギリシャのワイン生産者たちは、自分たちの土着ブドウ品種でワインを造ることに、これまで以上に注力しているように見受けられます。

アギオルギティコ、クシノマヴロ・・・これまで馴染みのなかったギリシャのブドウ品種名を店頭で数多く見かける日も遠くないかもしれませんね。

(2017年9月15日)