ギリシャの主要土着ブドウ品種はアシルティコ、モスコフィレロ、アギオルギティコ、クシノマヴロ 〜 特にクシノマヴロは秀逸で、人には内緒にしておきたいワインです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ギリシャワインの続き・・・今回はギリシャの主要な土着ブドウ品種について書いてみます。


●アシルティコ Assyrtiko

白ブドウ品種です。
デリケートで爽やかな辛口で、長期熟成も可能な品種です。
柑橘系のミネラル感ある香りや風味を伴います。

ギリシャの様々な地方で生育しますが、いちばん良いアシルティコは火山島のサントリーニ島でできます。
サントリーニ Santorini と呼ばれるワインはどれも、アシルティコ
9割以上で造られます。


●モスコフィレロ Moschofilero

果皮がピンク色をした、とてもアロマティックな白ブドウ品種です。
辛口白ワインにも淡い色のロゼワインもにもなります。

ギリシャ中央部
ペロポンネソス地方の山地であるマンティニアという産地が有名です。
マンティニア Mantinia と名づけられたワインは、最低85%がモスコフィレロで造られます。

モスコフィレロのワインは酸味が豊富でアルコール度数が穏やか、アプリコットや白桃の風味を伴います。
とても飲み易いタイプの白ワインで、ギリシャワインの入門編として最適なワインです。


●サバティアーノ Savatiano

ギリシャで最も広く植えられている白ブドウ品種で、ギリシャの伝統的な松やにワインであるレツィーナ Retsina はサバティアーノ主体で造られています。

レツィーナは発酵中のブドウ果汁に松やにを添加して造られる、松やにの香りのついたワインです。
古代ギリシャでワインの劣化を防ぐため、アンフォラという容器の口とフタの間に松の樹脂を塗って密封したことからワインに松やにの香りが付き、これをレツィーナと呼んだ、という歴史があります。


●アギオルギティコ Agiorgitiko

黒ブドウ品種です。
このややこしい名前は、英語にすると St.George(セント・ジョージ,聖ジョージ)にあたります。
英語圏への輸出用ラベルに、わざわざそう記載している生産者もいます。

ギリシャで最も栽培面積が大きく、その点においては、おそらく最も重要な土着品種です

ギリシャではどこでも育ちますが ヘラクレス生誕の地であるペロポネソス半島のネメアで主に栽培されています。

ネメア
Nemea と名の付くワインは全て、アギオルギティコから造られる赤ワインです。

アギオルギティコのワインは色調が深めで、プラムや赤系果実の凝縮した風味を伴います。
やや濃い目のカベルネ・フランといった印象があります。


●クシノマヴロ Xinomavro

北部ギリシャのマケドニア地方で最も重要な黒ブドウ品種です。

マケドニアはあのアレキサンダー大王が生まれた国で、彼が
紀元前4世紀に東方遠征に発った拠点となった地です。
この東方遠征以降の300年間はヘレニズム時代と呼ばれます。

古代マケドニアは現在ではマケドニア共和国のほか、ギリシャ、ブルガリア、セルビア各国の一地方となっています。
ギリシャのマケドニア地方は、アレキサンダー大王の出生地を含む、古代マケドニア王国の領域の大部分を占めています。

そんなマケドニアの土着品種クシノマヴロは、酸味が豊富でタンニンもしっかり、イタリア・ピエモンテ州のネッビオーロと似ているとよく言われます(ただし遺伝学的には別の品種です)。

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クシノマヴロのワイン、キリ・ヤーニのラムニスタ

クシノマヴロは色も香りも華やかです。

明るいルビーの色合いが美しく、ややスパイシーで複雑な香りを持ち、ドライトマト、オリーヴ、赤系果実のニュアンスの風味を伴います。

ネッビオーロ同様に骨格もしっかりしており、長期熟成も可能です。

クシノマヴロの本拠地はマケドニアのナウサで、ナウサ
Naoussa と名の付くワインは全て、クシノマヴロから造られる赤ワインです。

ぼくは個人的には、このクシノマヴロにものすごく
将来性を感じます。
本当に美味しい。
素晴らしいワイン。

まだそれほど知られていませんが、いまに人気が出て価格が上昇してしまうのではないかと心配です。。

(2017年9月16日)