オーストラリアを代表するブドウ品種はシラーズです 〜 オーストラリアではワイン造りの教育研究機関も充実しており「安定的にワインを造る技術」が重視される傾向があります
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

オーストラリアのワイン産地は主に国土の南部にあります。
ヴィクトリア州、南オーストラリア州の南部、西オーストラリア州の南部、ニューサウスウェールズ州の南部、それから冷涼なタスマニア島に散らばっています。
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オーストラリアワインの成功は、温暖で湿度の低い理想的な気候に負うところが大きいといえるでしょう。
近年は干ばつが深刻な問題になることもありますが、概して言えば、こうした恵まれた気候がワイン生産者に素晴らしい原料ブドウを提供してくれるのです。

もうひとつ、オーストラリアのブドウ栽培とワイン生産の技術を高水準にしているのは、この国の充実した教育研究機関です。

オーストラリアの醸造家の多くは、アデレード大学などの高等教育機関でしっかりとした教育を受けています。
オーストラリアワイン研究所(AWRI)やオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)など国際的に評価の高い研究機関も、先進的な技術研究や調査分析を行っており、この国の生産者たちが常にワイン造りの最前線でいられることに貢献しています。

こうした背景から、オーストラリアではどちらかというと「安定的に一定品質のワインを造る技術」が優先される傾向があります。

オーストラリアを代表するブドウ品種はシラーです。
この国ではシラーズ Shiraz と呼ばれます。
シラーズの栽培面積はオーストラリアでダントツのナンバーワンです。

これに続くのはカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、メルロー、ピノ・ノワール、セミヨンです。
ちなみにセミヨンはオーストラリアでは「セムロン」と呼ばれます。

オーストラリアのワインはたいてい、ブドウ品種がラベルに書かれています。
そのワインは、そのブドウ品種を85%以上使用している必要があります。

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 ▲マクラーレン・ヴェイルのシラーズ


オーストラリアでは、シラーズはとても面白いワインです。
非常に安価でジューシーで熟した果実味たっぷりのものから、非常に本格的で特定の産地の特徴を表現したようなものまで、生産者や産地によってとても異なったスタイルのワインになるからです。

前者のようなフルーティで辛口ワインなのにかすかな甘みを感じるシラーズは、バロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルなどの温暖な産地で造られています。

後者のような本格ワインタイプのシラーズは、黒胡椒などのスパイスの風味もよく出ていて、アデレード・ヒルズやヤラ・ヴァレーなど、どちらかと言えばオーストラリアの中では冷涼な気候の産地で造られます。

オーストラリアの産地については別途、整理して述べるつもりです。

(2017年9月22日)