オーストラリアの原産地呼称は GI といいます 〜 よく見かける GI South Eastern Australia は非常に広域の原産地呼称で、廉価な親しみやすいワインが多いです
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

オーストラリアのワインは、次の2つのカテゴリーに
大きく分けることができます。

●廉価なワイン

外国に輸出されているオーストラリアワインの大半は廉価な品種別ワインで、
1本1000円くらいか、ものによってはそれ以下の価格で販売されています。

こうしたワインはたいていラベルに South Eastern Australia と書かれています。

これは南オーストラリア州の一部、ヴィクトリア州とニューサウスウェールズ州の全部、クイーンズランド州の一部のうちのどこかで造られたワインならすべてに使える、非常に広域の原産地呼称です。

こうしたワインは価格は安めですが、ブドウの果実味が中心で飲みやすいタイプのワインです。

●価格の高めなワイン


価格が高めのワインは、South Australia や Victoria みたいに、より限定された産地名を名乗っています。
Barossa Valley, Coonawarra、Yarra Valley などのように、さらにもっと狭く限定された産地名を名乗るワインもあります。

こうしたワインはヴィンテージ後まだ若いうちに飲んでももちろん楽しめますが、多くは熟成させることも可能な本格的ワインです。

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 ▲産地が South Eastern Australia のシラーズ+カベルネ・ソーヴィニヨンのワイン


もうひとつ、オーストラリアワインは2つ以上のブドウ品種をブレンドしたワインが多いことも特徴です。

世界中のワイン生産者もブドウ品種のブレンドを行なっていますが、たとえばカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローやカベルネ・フラン、セミヨンとソーヴィニヨン・ブランなどのように、フランスの古典的な組み合わせでブレンドするのが普通です。

しかしオーストラリアは他国ではあまり目にしない、一見奇異で完全独自の組み合わせを生み出しました。
(例)シラーズとカベルネ・ソーヴィニヨン
(例)セミヨンとシャルドネ

2つ以上のブドウ品種を使用している場合は、使用比率の大きいものから順に(左から右へ)ワインラベルに表示されます。


さて、オーストラリアでも1990年代以降、原産地呼称の策定が進められてきました。
オーストラリアの原産地呼称のことを GI (Geographic Indications)と呼びます。

ヨーロッパの制度とは異なり、GI は品種規定や栽培・醸造規定を持たず、地理的範囲だけを定めた制度です(アメリカと同様の制度)。

GI にはもっとも大きな州(State)から、地域(Zone)、地区(Region)、小地区(Sub-Zone)まで各レベルのものがあり、
2016年現在で合計114ヶ所が定められています。

近年、GI がラベルに明記されているオーストラリアワインがますます増えています。
次回以降は、オーストラリアの有名なワイン産地を見ていきましょう。

(2017年9月23日)