ニューサウスウェールズ州はワイン産業発祥の州、西オーストラリア州は上質ワインの産地でマーガレット・リヴァーが有名、タスマニア州はピノ・ノワールでがんばっています
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

オーストラリアの重要ワイン産地5州のうち、南オーストラリア州ヴィクトリア州の主要産地について述べてきました。
今回はニューサウスウェールズ州、西オーストラリア州、タスマニア州です。

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 ▲タスマニア州のピノ・ノワール


◆ニューサウスウェールズ州 New South Wales

シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州はオーストラリアで最も人口の多い州であり、
オーストラリアワイン産業発祥の州でもあります。

現在はオーストラリアの全ワインの約3割を産出しています。

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 ▲ニューサウスウェールス州とタスマニア州の産地

●ハンター・ヴァレー Hunter Valley    

1825年に、最初のブドウが植えられた歴史の古い産地です。
セミヨンから造られる長熟型の辛口ワインが有名です。

樹齢60〜100年の古木のシラーズも豊富で、ワインはオーストラリアの他産地のような大柄さは無く、引き締まった印象の味わいです。

●マジー Mudgee

原住民アボリジニの言葉で「丘のある巣」という意味の産地です。
グレート・ディヴァイディング・レンジ(大分水嶺)の西斜面に位置し、標高が450〜600mと高い産地です。

降水量が少なく、昼夜の寒暖差が大きいブドウ栽培に適した気候です。
シャルドネ、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど幅広く栽培されています。

●オレンジ Orange


標高が600〜900mと、マジーよりもさらに高いところにある山地です。
リースリングやピノ・ノワールなどの冷涼系品種のほか、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンも植えられています。

●タンバランバ Tumbaraumba

スノーイー山脈の中にあり、オーストラリアでは最も遠隔地に位置する産地のひとつです。
ピノ・ノワールとシャルドネが全体の75%を占めています。


◆西オーストラリア州 Western Australia

すでに述べたワイン生産3州に比べると生産量は少ないですが、オーストラリアの上質ワインの産地で品質はトップクラスです。

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 ▲西オーストラリア州の産地

●スワン・ディストリクト Swan District

1829年にブドウが植えられた、西オーストラリア州のワイン造りの歴史的な中心地です。
南オーストラリア州やヴィクトリア州より早くブドウ栽培が始まっています。

地中海性気候で気温の高い産地ですが、フリーマントル・ドクターという海風により暑さが和らぎます。
シュナン・ブランやセミヨンによる白ワイン造りの伝統があります。

●マーガレット・リヴァー Margaret River

インド洋に面しており、オーストラリアで最も海の影響を受けている産地です。
地中海性気候で、少雨で年間を通じて温暖です。

1960年代にこの土地の気候がボルドーと似ていることが指摘され、いまでは西オーストラリア州で最も重要な産地となっています。

ボルドーのようなソーヴィニヨン・ブランとセミヨンによる白ワイン、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど、いずれも上質なワインを生み出す産地です。

●グレート・サザン Great Southern

マーガレット・リヴァーより幾らか冷涼ですが、ボルドーと似た気候をもつ広大な産地です。
広大ゆえに造られるワインも多様です。

さわやかで熟成能力もあるリースリングがよく知られています。
また凝縮感と香りのしっかりしたカベルネ・ソーヴィニヨンや、シラーズ、シャルドネも造られています。
南側の沿岸部は冷涼な地域で、ピノ・ノワールは成功を収めています。


◆タスマニア州 Tasmania

ヴィクトリア州の南の海上に浮かぶタスマニア島で、商業的な規模のブドウ畑が開かれたのは1970年代中頃です。

冷涼な気候を生かして繊細な味わいのピノ・ノワール(面積最大)、シャルドネ、スパークリングワインが造られています。
ワインの生産量は少ないですが、ワインの品質は世界でも高い評価を受けています。

(2017年9月26日)