アメリカのワイン生産量の9割を占めるカリフォルニア 〜 モンダヴィらが良いワインを造りブドウ品種名を名づけたのは、安直なワインが溢れていた市場に対する挑戦でした
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ワイン好きな人がアメリカのワインに思いを馳せるとき、まずカリフォルニアを思い浮かべるはずです。
これは驚くべきことではありません・・・カリフォルニアのワインはアメリカのワイン生産量の9割を占めているのですから。

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 ▲ナパにあるロバート・モンダヴィ・ワイナリー

アメリカには大量生産型の会社も含めて様々なワイナリーがありますが、”良いワイン” を造ろうという流れをアメリカで作った先駆け的な存在として、カリフォルニアのロバート・モンダヴィ Robert Mondavi をあげることができるでしょう。

1966年、ロバート・モンダヴィ氏は高品質なワインに特化した自分自身のワイナリーを始めようと、家族が経営するワイナリーを離れて独立しました。

モンダヴィ氏や、彼の歩みに追随した生産者たちは、自らが造る品質本位のワインに「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シャルドネ」などの呼び名をつけました。

ワインをそのぶどう品種名で呼び分けるこのやり方は、いわば、当時のアメリカ市場に溢れていた安価で低俗なワインに対する彼らからの挑戦状でした。

当時のアメリカで一般的だった安ワインは、ヨーロッパの銘醸地の名を借りて「Burgundy(ブルゴーニュ)」だとか「Chablis(シャブリ)」などとラベルに名乗っていたのです。
これらの産地はそもそも有名であるため、安ワインの生産者たちは販売戦術上、こうした安直な方法を意図的に行なっていました。

これらの名前があまりにも浸透してしまったため、一般消費者が白ワインのことを何でも「シャブリ」と呼ぶような笑えない状況も生まれていたのです。

その後、ロバート・モンダヴィのような考え方のワイナリーが増え、自社のワインをブドウ品種で呼び分けることが普通となっていきました。

余談ですが、アメリカのワインのラベルによく見られる Reserve、Special Selection、Private Reserve、Barrel Select、Vintners Reserve、Classic 等々の用語には、法的な定義はなにもありません。

自社のワインが特別で優れたワインだということを示すために、プレミアムワインの生産者がこうした用語を使うことが多いですが、
もっぱら安価なワインを販売しているような大規模ワイナリーが、こうした言葉をマーケティングツールとしてラベルに記載することも多いです。

こうしてみると、アメリカってやはり何事も開拓者精神が旺盛というか(商魂たくましいというか)、マーケットを開拓、拡大していくためにはかなり自由奔放なところがあるようですね。。

(2017年10月17日)