サンタ・バーバラも冷涼な気候でピノ・ノワールとシャルドネの栽培に向いており、アメリカの6大ピノ・ノワール産地のひとつに数えられています
スマートフォン用サイト
バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

カリフォルニアで最もエキサイティングなブドウ栽培エリアはどこにあるか・・・ひとつに絞るのは難しいとしても、サンタ・バーバラ・カウンティ Santa Barbara County は間違いなくその筆頭格だといえるでしょう。

スペインからやってきた修道士たちが200年も前にこの地にブドウを植えたにもかかわらず、
主要なワイナリーが初めてこの地で操業を始めたのは、1970年代に入ってからのことでした
(ファイヤーストン・ヴィンヤード Firestone Vinyard)
サンタ・バーバラがどれほどブドウ栽培に適した土地か、今のぼくたちが知っていることに照らして言えば、1970年代とはあまりに遅いスタートだったのですね。

サンタ・バーバラはセントラル・コーストのいちばん南にあります。
西から南が太平洋に向かって開けており、海からの冷たい風と霧が大量に流れ込みます。

冷涼な谷(ヴァレー)が、カリフォルニアでは例外的に東西の向きに伸びています。
太平洋に向かって開けた谷地が海風の通路の役目を果たします。

au_bon_climat
 ▲オー・ボン・クリマもストロベリーのフレーバーを強く感じる

サンタ・バーバラ郡の主なブドウ栽培エリアはサンタ・マリア・ヴァレー Santa Maria Valleyサンタ・イネズ・ヴァレー Santa Ynez Valley です。
どちらもサンタ・バーバラ市街地の北に位置しており、冷涼な気候でピノ・ノワールとシャルドネの栽培に向いています。
たとえばサンタ・マリア・ヴァレーでは、これらの品種の生育時期のにおける平均気温はわずか22℃です。

ブルゴーニュ地方で修行したジム・クレンデネン氏は1982年にオー・ボン・クリマ Au Bon Climat を設立し、ブルゴーニュスタイルを追及したピノ・ノワールのワイン造りで、サンタ・マリア・ヴァレーを有名な産地にしました。
このオー・ボン・クリマ、ぼくたちの最近のワインセミナーでも登場しました。

さらに南にあるサンタ・イネズ・ヴァレーは、西端のほうは冷涼な気候でピノ・ノワール、シャルドネなどが栽培されていますが、東端のほうは比較的温暖で、グルナッシュやシラーなどの栽培も行なわれています。

サンタ・バーバラはアメリカの6大ピノ・ノワール産地のひとつです。
他の5つはカーネロス、ロシアン・リヴァー・ヴァレー、ソノマ・コースト、アンダーソン・ヴァレー(メンドシーノ郡)、そしてオレゴン州のウィラメット・ヴァレーです。

サンタ・バーバラのピノ・ノワールのワインは概してイチゴのようなフレーバーがふくよかで、若干青いニュアンスも伴います。
より堅めで力強いロシアン・リヴァー・ヴァレーや「真のソノマコースト」のピノ・ノワールは中長期の熟成にも耐えそうなタイプのワインですが、サンタ・バーバラのピノ・ノワールはヴィンテージ後4〜5年以内に飲むのが美味しいと思います。

(2017年10月26日)