ワシントン州の産地のほとんどはカスケード山脈の東側にあり、緯度の高さから長い日照時間に恵まれています 〜 良質のメルローで知られますが近年シラーも好評です
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バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ワシントン州はオレゴン州の北に隣接する州ですが、それぞれのワイン産地の気候はお互いに大きく異なっています。
両州を南北に縦断するカスケード山脈を中心にしてみると、オレゴン州の産地は山脈の西側(太平洋側)にあるのに対し、ワシントン州の産地のほとんどは山脈の東側(内陸側)にあるからです。

ワシントン州では、山脈の西側つまり太平洋側は海洋性気候で、冷涼多雨で植物が良く育ちます。
山脈の東側は夏は暑くとても乾燥し、冬は寒い大陸性気候です。

上述したようにワシントン州のワイン産地の多くはカスケード山脈の東側、広大で無秩序に広がるコロンビア・ヴァレーとヤキマ・ヴァレーのエリアにあります。
かなり緯度が高い産地なので、日照時間がとても長いことが利点となっています。
ブドウの生育期には1日当り平均17.4時間という、ものすごい長さの日照に恵まれます。

ワシントン州の生産者は、灌漑を行なうことによって多くのブドウが砂漠の中でも繁々と育つことを発見しました。
メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンといったボルドー品種がワシントン州では主要品種となっています。

Chateau_Ste_Michelle_Syrah
 ▲ワシントン州のシラー(シャトー・サン・ミッシェル)

ワシントン州がはじめに世に知られるようになったのは、メルローの品質の良さがきっかけでした。
しかし現在はワシントン州のシラーが好評を得るようになってきています。
今後ワシントン州は、シラーで面白いワインを造ることのできるアメリカ随一の産地になれるかもしれません。

白ブドウではシュナンブランとシャルドネがすでに成果をあげています。
リースリングも、もはや実験ではなくすでに離陸した感じです。

カスケード山脈の西側にも例外的にピュージェット・サウンド周辺にワイン産地があり、リースリングとゲヴュルツトラミネールがよく育ちます。
実際、大都市シアトルの近郊にあるピュージェット・サウンドには大規模なワイナリーが数軒あります。
しかし、彼らはブドウのほとんどをコロンビア・ヴァレーかヤキマ・ヴァレーから調達しています。
ビジネスをするには砂漠の真ん中よりもシアトルのほうがラクだということなのでしょう(笑)。

ワシントン州最古参のシャトー・サン・ミッシェル Chateau Ste. Michelle と、さらに大規模なコロンビア・クレスト Columbia Crest (両社とも同じ企業グループ)の2つがワシントン州の2大ワイナリーです。
現在のところ、この2社でワシントン州のワイン生産量全体の5割以上を占めています。

2社で半分以上とは・・・かなり寡占的な状態ですね。。
ワシントン州の他の中小ワイナリーたちにはワインのユニークさで頑張ってほしいです。

(2017年10月31日)